サロンの営業が終わった後の時間。
夜の店内には、実はもう一つの活気があります。
それは、私たち美容師の「練習」の時間です。
今日は、新しいカット技法の練習をしていました。
相棒は、美容学生時代からおなじみの「ウィッグ(マネキン)」です。
「もうベテランなんだから練習なんていらないのでは?」
と思われるかもしれませんが、美容の世界にゴールはありません。
ファッションに流行があるように、
カットのラインやカラーの色の出し方も、
時代とともに少しずつ変化しています。
昨日の正解が、今日の正解とは限らない。
だからこそ、指先が感覚を忘れないように、
そして新しい技術を自分のものにするために、
ハサミを動かし続けます。
ウィッグ相手の練習は、自分との対話でもあります。
「なぜここでこの角度で切ったのか?」
「もっと軽やかさを出すにはどうすればいいか?」。
静かな店内で集中していると、
ふと新しいアイディアが降りてくる瞬間があるんです。
すべては、次にご来店いただくお客様に
「今までで一番いい!」と思っていただくため。
練習が終わって、誰もいないフロアに並ぶウィッグたちに
「今日もありがとう」と心の中でつぶやいて帰路につく。
そんな美容師らしい夜のひとコマでした。